
一時期、筋トレサプリメント界隈で特大ムーヴメントを起こしたサプリメントといえばHMBですね。

HMBって何。どういう作用があるかも分からないし、いつ飲めばいいのかもわからない。というか最近HMBの話をあまり聞かないのは気のせいなのかしら
今回はこのような疑問を解決していきましょう。
HMBとは
HMBは必須アミノ酸であるロイシンの代謝物質で、「β-ヒドロキシβ-メチルブチレート」の頭文字をとったものです。長いし難しいので別に覚える必要はありませんが、ロイシンの代謝物であることくらいは頭に入れておいたほうが理解しやすいと思います。
HMBの効果
その効果は一体なんなのでしょうか。
- 筋合成の促進
- 筋分解の抑制
- 筋細胞膜の安定化
以上のように、3つの効果を期待できます。それでは一つずつ解説していきましょう。
筋合成の促進
HMBは「筋合成をするぞ!!」というスイッチ役のmTOR(エムトア、エムトール)を活性化させます。
これによって活発に筋合成をすることになります。
筋分解の抑制
筋肉を分解するユビキチン・プロテアソーム系の活動を抑制する働きがあるため、筋分解の抑制に役立ちます。
筋細胞膜の安定化
筋トレによって筋肉が傷つくと、細胞膜を合成するコレステロールの合成がうまくいかないと考えられています。
コレステロールは傷がついた筋肉の細胞膜の合成します。このコレステロールの合成がうまくいかないと、筋肉の細胞組織が不安定になります。
HMBはコレステロールの合成を促進させるため、筋細胞膜の安定化を図ることができるということです。
HMBは筋肥大に効果あるか
あります。
ただ、HMBだけ摂取しても十分な効果は期待できません。
効果を最大限に発揮するにはプロテインとの併用
先述のとおり、HMBは「筋合成を促進させる」という効果がありますが、促進をするだけで材料(その他アミノ酸)がないとダメです。
電気のスイッチを押しても電球がなければ明るくなりません。
そして材料がないと筋肉を分解してしまうのです。
つまり、あらかじめ血中アミノ酸レベルを高めておく必要があります。
そのため、トレーニングの1時間前にプロテインを飲んでおき、血中アミノ酸レベルを上昇させてあげることによって、効率的に筋合成をすることができます。
なぜ1時間前かというと、プロテインを摂取してから1時間くらいで血中アミノ酸レベルが最大になるからです。
BCAAで代用は可能じゃないの?
もともとHMBの元であるロイシンはBCAAに含まれています。もっと言うとプロテインにもBCAAは含まれています。しかしBCAAを摂取してロイシンがHMBになるのはわずかに5%しかありません。
なので効率的にHMBの効果を得たい場合は、単体で摂取するほうが良いということです。
よくある「プロテイン20杯分!!」という謳い文句は、消費者のミスリードを狙うものです。たしかにHMB3gをプロテインだけで摂取しようとするには20杯は必要というのは妥当なのですが、消費者は「筋肥大の効果も20倍か!すげぇ!プロテインより優秀じゃん!!!」と勘違いしてしまいます。確かに効果はあるものなので、こういう売り方は気に食わないです。
HMBを飲むタイミング
- 【前提】1日複数回に分ける
- トレーニング中
- 食後
- 寝る前
HMBは1日に複数回の摂取を推奨されています。
トレーニング中には筋合成および筋分解が活発に行われているので、筋合成を促し筋分解を抑制させるHMBは効果が大きいです。
食後は血糖値を下げるため、インスリンの分泌が活発です。インスリンは栄養を筋肉に運ぶ役割も有り、食事をとって筋合成の材料もある状態なので、このタイミングの摂取もいいでしょう。
睡眠中は栄養の摂取ができず、筋分解が進みやすいとされているので、筋分解を抑制してくれるHMBの出番です。このとき、プロテインも飲んでおいたほうがより効果が大きいと考えられます。
HMBを摂取する量
一日3g
これより少なくても多くても効果は半減してしまいます。
ある研究で摂取量を「1.5g」「3g」「6g」にグループ分けをして筋肥大の経過を観察しました。その結果「3gを摂取したグループがもっとも筋肥大した」という結論を出しています。
まとめ
- 筋肥大を促進する
- 筋分解を抑制する
- 細胞膜の安定化をする
- 摂取量は一日3gを分割してとる
- タイミングはトレーニング中、食後、寝る前がおすすめ
- プロテイン摂取後や食事のあとに飲むのが吉
いかがでしたでしょうか。HMBは爆発的に人気が出て、最近はあまり話題になっていないサプリメントではありますが、上手に付き合えば筋肥大の効果を十分に得られるサプリメントです。
トレーニングをして、人生を変えましょう。