「筋トレすると基礎代謝があがるから痩せる・太りにくくなる」の真実

こんにちは。

皆さん筋トレしてますか。楽しいですよね、筋トレ。

タイトルにもある通り、今回は筋トレをして筋肉を増やすことでどのくらい基礎代謝が上がるのか?というお話です。

この記事を執筆するにあたり、研究結果を読み漁ったのですが、まだ断定できるレベルの研究結果は得られていない印象を受けましたので「ほ~ん、そういう可能性もあるのね~ん?」くらいの感覚で読んでいただければ幸いです。

筋肉1kg増やして上がる基礎代謝は13kcal?

国立健康・栄養研究所によると『筋肉だけが1kg増えて、筋肉1kg当たりの代謝量が変わらなければ、筋肉1kgの増加により基礎代謝が13kcal増える』としています。

これだけ見ると「え、1キロも筋肉増やして13kcalしか代謝上がらないの?!コスパ悪すぎない?!」と思う方も多いと思います。最初は私もそう思いました。

ところが、同研究所は以下のように述べています

報告によって非常に大きな差があるものの、筋肉や内臓、神経、骨などを全て含む「除脂肪量」(=体脂肪以外の量)でみると、筋トレによる除脂肪量1kgの増加につき、基礎代謝量は50kcal近く増える傾向にあります。

つまり、筋肉量単体で見るとたった13kcalかもしれないが、『除脂肪量1kgの増加=基礎代謝50kcalくらいは上昇するのではないか』ということです。

よって、筋トレをして筋肉を増やすことで、筋肉以外にも基礎代謝があがる要素が発生すると考えたほうが合理的だと言えます。

筋肉量以外に基礎代謝が上がる要因

筋トレをすることで、筋肉量以外にも代謝が上がる要因は複数あるようなのですが、ここではその一部を紹介してみます。

内臓、骨、神経が大きくなる

筋トレをすることで、筋肉だけではなく内臓や骨、血管等のさまざまな組織が増えたり強く大きくなります

その結果として、基礎代謝の上昇に繋がるということです。

EPOC(運動後過剰酸素消費量)・アフターバーン

EPOCとはExcess Post-Exercise Oxygen Consumptionの略です。アフターバーンという言い方をする方もいますが、「EPOCとアフターバーンは別物」と考える方もいるようです。

私はどちらかというと後者寄りの解釈をしていますが、それについては別の機会でお話ししてみたいと思います。ここでは同じような結果をもたらす同じようなものとして扱います。

さて、これらが一体なんなのかを簡潔に説明すると「激しいトレーニングをした後も、カロリー消費が継続する」というもの。

では一体どのようにカロリーは消費されているのでしょうか。

タンパク質の分解と合成
乳酸をグルコースに変換

などが挙げられます。が、最近の研究では「そこまで多くのエネルギーを消費するわけではない」とも言われているようです。

ベージュ細胞の増加

脂肪細胞には3種類存在します。

  • 白色脂肪細胞
  • 褐色脂肪細胞
  • ベージュ細胞(ブライト細胞)

ベージュ細胞は白色脂肪細胞が変化して、褐色脂肪細胞のような働き(熱産生=カロリー消費)をしてくれます。そしてこのベージュ細胞は、たとえば筋トレによって筋肉から分泌されるイリシンというホルモンによって、白色脂肪細胞からベージュ細胞へと変化させるとされています。

ところが、立命館大学の研究によれば

若年者(22±4歳)は有酸素運動によってイリシンの血中濃度の増加は認められなかったが、高齢者(67±7歳)には増加が認められた

という結果を発表しています。上記は有酸素運動による結果なので、筋トレだともしかしたら結論は違ってくるのかもしれません。

そしてベージュ細胞を増やすには運動以外の方法があり、かつ効果的なので、それについても記述した下記の記事を参考にしてみてください。

まとめ

まだまだ研究段階の部分も多いですが、少なからず筋トレによって間違いなく基礎代謝は上昇します

しかし「筋トレすれば基礎代謝が上がるから痩せるよ!!」とか「アウトバーン効果ってものすごいよ!!」と絶大なる効果を謳うレベルではないと思います。過信は禁物です。

とはいえ塵も積もれば山となるので、もちろんやらないよりやったほうが絶対にいいと断言しておきますね。

参考
https://relax-job.com/more/39230
http://nutrition.life.kpu.ac.jp/wp-content/uploads/2015/01/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E3%81%A8%E7%94%9F%E7%89%A9-%E5%AF%84%E7%A8%BF.pdf
http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/gene/research3.html